野村 直之

中部電力株式会社
再生可能エネルギーカンパニー 企画室 計画管理グループ

野村 直之

2015年 工学研究科 社会工学専攻

学生時代の専攻分野

大学では土木分野を専攻。鋼構造分野の研究室に所属し、主に鋼製橋脚の耐震性能に関する研究に取り組んだ。

CAREER PASS

  • 1年目

    飯田電力センター土木課

    経年や災害により劣化・損傷した水力発電設備の修繕工事を担当し、工事計画立案および施工管理をおこなう。社外の協力会社と連携しながら工事を進めていった。
  • 3年目

    株式会社JERA 出向

    火力発電所のリプレース工事を担当。詳細設計や工事品質の管理、現場に入った複数の社内外関係者の調整役などを担った。水力発電所とはまったく異なる設備で多くを学んだ。
  • 6年目

    水力事業部 水力開発グループ

    水力発電所の新規開発地点の計画・設計に従事。水力は優れた再生可能エネルギーではあるが、開発はほぼし尽くされている状況の中、これまでになかった新しい視点を持ち込み、行政サイドとの交渉を重ねながら新地点立ち上げに尽力した。
  • 9年目

    企画室 計画管理グループ

    再生可能エネルギーカンパニー(以降、「カンパニー」という。)の事業管理・事業計画策定に従事。予算やリスクなどを評価しながら、市場分析・予測を基にした計画を策定していく。「再生可能エネルギーのリーディングカンパニー」を目指し、さまざまなことにチャレンジしている。
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インタビュー

インタビュー

中部電力を選んだ理由

大学で学んだ土木の知識を活かせる就職先であることを軸に、「多くの人の役に立てる仕事をしたい」「仕事を通じて挑戦し成長を続けたい」という自分の理想に最もマッチしたのが中部電力でした。働くエリアや業種にこだわらず、さまざまな企業の方々とお話しをさせていただき、自分の理想に近い企業を探しましたが、電気は普段の生活に欠かせない存在であり「インフラ中のインフラ」とも呼ばれる点で電力会社に魅力を感じました。加えて、中部電力では発注を受けて「つくる」のではなく、自ら考えて企画し「つくる」ことができます。社会的影響力の大きい事業を、自分たちの手で生み出していく。この手応えは中部電力でしか得ることができないと考えました。
また、中部電力には、スケールが大きな仕事も若手に任せ、成長を促す風土であると聞きました。この成長機会の多さも私が中部電力を選んだ大きな理由です。実際に、入社後もこの魅力は変わっていませんし、今後もずっと大切にしていきたいです。

初任配属部署での仕事内容

配属先は、⽔⼒発電設備の維持管理と⼯事を担う部署でした。⽔⼒発電設備は⻑く使われるものが多く、運転開始から50年や60年経過している設備も多くあります。中には、100年以上経過してもなお現役で活躍している設備もあります。土木構造物は⻑持ちするとはいえ、自然災害や経年劣化による設備の劣化は避けられません。特に近年は自然災害の激甚化により、過去に例を見ないような局所的な豪雨などによる設備被害などが発生しており、維持管理の重要さがますます高まっています。
このような事業環境の中で、現地調査や工事の施工管理、工事実施に関する社内外関係者との調整や交渉など、幅広い業務を担当しました。
当時は全ての事が初めてで苦労もありましたが、厳しい自然環境の中で発電し続ける設備を目にすると、先人たちが築き守ってきた設備の歴史の長さや重みを感じました。このバトンを途切れることなく繋いでいきたいという使命感が湧き、業務へのモチベーションが一層高まったことを覚えています。

現在の部署での仕事内容

初任配属先では維持管理を、火力発電所のリプレース工事では建設業務など、さまざまな経験を積んだ私でしたが、新しい開発地点の企画・計画業務などの経験が足りないと感じていました。具体的には、新しい開発地点の企画やその計画業務などの領域です。私はこの想いを会社に伝え続け、入社6年目のときに、水力発電の新規開発を担う部署への異動が叶いました。その部署では、自然や地域との共生、法令上の制約、事業の経済性など、さまざまな視点から開発の可能性を模索し、新たな水力発電所開発の企画と計画への落とし込みがミッションでした。
そして、昨年からは現在の部署に異動し、カンパニー全体の事業計画の立案や、カンパニーで実施する個別の事業の進捗やリスクの管理を任されています。電力事業を取り巻く市場動向や現状把握、カンパニーへの影響評価から、その対策を議論することが求められています。
これまでの業務は土木知識を中心として取り組むことができましたが、現在の業務は土木以外の幅広い知識や世の中の動向の把握も必要です。これまでとの違いに苦労することもありますが、この業務に就いてから、電力・エネルギー業界がより幅広かつ解像度高く見えるようになりました。

インタビュー

仕事のやりがい、成長を感じるポイント

特に印象に残っているのは、入社2年目のときに担当した水力発電所の新規開発候補地点の検討業務を任されたときのこと。周囲に経験者がおらず、失敗もたくさんしながら手探りで検討を進める毎日でした。それでも上司や同僚のサポートを得ながら、設備設計から法令対応、社内外関係者との合意形成に至るまで、自ら考えながらさまざまな「はじめて」にチャレンジすることができました。短い期間ではありましたが、多くの場数を踏むことで一回り大きくなれた時期です。
土木技術者としては、維持管理だけではなく建設工事や新規開発の経験により、大きな成長につながりました。規模の大きな建設工事では、求められる工事の種類も多様です。その中で工事の計画や積算、施工管理まで経験できたことで、どんな工事でも対応できる自信がつきました。またこうした巨大なプロジェクトの開発や建設では、土木技術者以外にも電気系や機械系技術者と議論をする機会も多く、技術的な視野が広がったように感じています。

今後挑戦したいこと

2050年の脱炭素社会の実現には、再⽣可能エネルギーの更なる拡大が重要です。このような環境の中で「再エネ事業と言えば中部電力」と言われるようになりたいと考えています。その道のりは険しいものだと思いますが、だからこそ挑戦する価値があるとも感じています。
現在、世界的に洋上⾵⼒発電が注目されていますが、国内での実績は多くありません。その中で、経済性を確保しつつ、開発を進めることは容易ではありません。そのため、事業のリスクを適切に見極め管理し、経済的な実現可能性を見出していく必要があります。また、既存の水力発電所についても、少子高齢化による働き手の減少が進むことで、維持管理や運転を担う人財の不足が懸念されます。そのため、DXや業務改善を取り入れ、業務の生産性を高めていくことも重要な課題です。
こうした難題に対して、これまで培った土木技術と土木以外の幅広い知識を融合し、今日までの「当たり前」にとらわれないこと、失敗を恐れず挑戦することを大切にし、再生可能エネルギーの拡大に寄与することで脱炭素社会の実現に貢献していきたいと考えています。

相関図

相関図

※掲載社員の仕事内容・所属部署は取材当時のものです。