清 智明

中部電力パワーグリッド株式会社
本社 送変電部 送電グループ

清 智明

2016年入社 工学研究科 材料化学専攻

学生時代の専攻分野

モノづくりの根本となる材料について、構造や化学反応という側面から学んだ。鋼材が錆びることに代表されるような、性質が変化するしくみについての理解を深めた。

CAREER PASS

  • 1年目

    小牧電力所 送電課

    送電設備の保守を担当。送電線や鉄塔をパトロールして回って異常がないかを調べたり、メンテナンス工事を保守会社に依頼するなどの業務に従事する。
  • 3年目

    半田電力センター 送電課

    太陽光発電所の新設に合わせて、発電された電気を既存の鉄塔まで送るための新たな鉄塔の建設に向けた設計と施工会社への⼯事発注・管理を担当する。
  • 5年目

    送変電技術センター 技術グループ

    送電に関する全社的な技術⽀援と研究開発に従事する。既存の業務マニュアルにはない事象への対応を⽀援したり、業務の効率化などに取り組んだ。
  • 7年目

    送変電部 送電グループ

    鉄塔の建て替え⼯事の増加が見込まれる中、施工力確保や⼯事の効率化に向けた部⾨戦略の策定に取り組む。
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インタビュー

インタビュー

中部電力を選んだ理由

大学で材料化学を専攻したのは、ものづくりが好きだったから。ものづくりを根本で支えるというところに魅力を感じていました。研究室の先輩や同級生は材料系のメーカーに就職する人が多かったですが、私はもう少し視野を広げて他の業種の話も聞いてみようと思っていました。そこで出会ったのが中部電力※です。
電力会社には電気を送り届けるという使命があり、それを支えているのが鉄塔であることを知りました。鉄塔を建設し、保守するという仕事に私は、ゼネコンのようなおもしろさを感じました。また、電力会社ならではの仕事の幅の広さに魅力を感じました。そして何よりも、鉄塔を作るというものづくりの仕事の楽しさとやりがいを熱く語る先輩方の姿に感銘を受けました。自分も同じような気持ちで仕事がしたい、この会社であれば同じようなやりがいに出会えると思ったことが、入社の決め手となりました。

※現:中部電力パワーグリッド株式会社

初任配属部署での仕事内容

鉄塔をはじめとした送電設備の保守を担当しました。先輩社員と一緒に担当エリア内の鉄塔を見て回り、劣化などの異常がないかを確認し、必要に応じてメンテナンス工事などを保守会社に依頼するのが主な役割です。この仕事を通して、鉄塔の各部位の役割や立地条件に合わせた鉄塔ごとの特色を学びました。送電設備では、電線に触れなくても感電してしまうことがあります。送電線のパトロール時に、高所作業車などの送電線に接近する作業を見かけた際はその危険性を⼯事会社の⽅に周知徹底する、安全管理の役割も担いました。
この時期に印象深かったのは、鉄塔にできたカラスの巣を先輩と一緒に回収したことです。巣から枝が落ちてしまうとそれが電線と鉄塔をつなぐパイパスになってしまい、鉄塔に電気が流れる危険性があります。先輩と協力しながら、巣を落とさないように慎重に作業しました。この話を大学の同期にしたところ、「電力会社ではそんな仕事もするんだね。」と驚かれました。

現在の部署での仕事内容

中部電力パワーグリッドの管内には、約3万基の鉄塔が設置されています。その多くは⾼度経済成⻑期に建てられたため、建て替え時期が近づいているものが増えています。電力の安定供給を維持するには、いかにして施⼯力を確保するかであったり、いかに効率的に⼯事をおこなうかを考えていかなければなりません。そういった送電業界の課題に対して送電部⾨としての戦略を策定するのが、現在の私の部署の役割です。
これまでに、⼭地で⼯事をおこなう際の資材運搬を、⼈ではなくドローンがおこなうという取り組みを導⼊しました。このときは安全性や作業性、コストなどを検討したうえでのドローンの選定や、当社がドローンを保有し施⼯会社に貸し出すというしくみの構築を担当しました。結果は⾮常に好評で、従来は⼈⼒でおこなっていた運搬作業を、⼈の⼿を介さずにおこなえるようになりました。

インタビュー

仕事のやりがい、成長を感じるポイント

自分が立案した方針が実を結ぶと、送電業界の仲間である施工会社の方から感謝という形で成果が返ってくることにやりがいを感じています。ドローンを用いた山地への資材運搬のケースでは、「現場での作業が楽になった」と喜びの言葉をもらいました。
成長を感じるポイントの一つは、鉄塔に関してさまざまな知識と技術を身につけられたことです。入社後の研修や先輩社員からのOJTのおかげで、鉄塔の設計や不具合が発生した際の原因分析・対応方法の立案までできるようになりました。
英語⼒を磨き、海外での意見交換会に参加したことも成⻑の一つです。会社のバックアップでオンラインの英会話講習を受けることもでき、海外の技術者と意⾒交換ができるレベルまで語学⼒が向上しました。海外の事例に直接触れることで、以前にも増して⽇本の進むべき姿を考えることができるようになりました。

今後挑戦したいこと

送電業界の仲間を増やしたいです。鉄塔を建て、送電設備を守る人のことを業界では「ラインマン」と呼んでいます。私の夢は、ラインマンが「なりたい職業ランキング」で上位に入ることです。
そのためには、業界の情報を積極的に発信し、認知度を高めることが不可欠です。例えば、「鉄塔カード」を作って配布し、そこに記載されたQRコードから鉄塔を特集したホームページへ誘導するという取り組みをおこないました。この取り組みは、中部電力パワーグリッドの広報部門や施工会社の若手社員と協力して実施しました。施工会社のホームページへ誘導するしくみを導入したり、SNSで動画などの発信もおこなっています。
大規模な送電設備の設計に携わることも今後の目標です。設計は、送変電部門の醍醐味が感じられる仕事の一つだと思います。より良い設計をするためには、現場へのより深い理解が欠かせません。現場と設計の仕事を行き来しながらスキルアップし、より大きな工事に携わっていきたいと考えています。

相関図

相関図

※掲載社員の仕事内容・所属部署は取材当時のものです。