
インタビュー
中部電力を選んだ理由
大学在学中、社会人の方々に会う機会が多くありました。そうした出会いを通じてメーカーや金融機関、建設業などさまざまな業界で働く人たちが、私たちの知らないところで生活を支えてくれていることを知ったのです。私の研究は化学・生物の分野でしたが、こういった人知れず社会基盤を支える仕事に対していつしかロマンというか、憧れのような感情を抱いていたように思います。
就活で中部電力※の通信部門の話を聞いた際に「かっこいい、この仕事につきたい」と、あのときの気持ちが蘇ったのです。電力はあらゆる社会活動に欠かせないエネルギーであり、安定供給し続けるためには堅牢な通信設備が欠かせません。いわばインフラ企業のインフラづくり、“縁の下の力持ちを支える縁の下の力持ち”といえるポジションが、私にはとても魅力的に感じられました。性格的にもあまりキラキラした派手な仕事よりも、地道に汗をかく仕事の方が向いていると思っていたこともあり、この会社だ!と確信しました。
初任配属部署での仕事内容
入社後は、静岡管内にある通信設備の保守に携わりました。普段から日常点検業務などをおこなう一方で、突発的な障害への対応も担います。多いときで週に数回、事務所内にアラームが鳴り響き、緊急対応に追われるのですが、配属当初は先輩たちの間で飛び交う「マイクロ」や「ハイブ」といった専門用語の意味がわからず、「何か大変なことが起きている」くらいにしか感じていませんでした。
強風による断線や雷による装置破損など、現地での復旧作業が必要な場合はトラブルのあった施設に急行。重要な通信回線には必ず迂回ルートが設定されているので、そちらに切り替える緊急工事をおこないます。
こうした現場をたくさん経験するうちに、仕事の基礎について徐々に理解することができました。意外だったのは、技術や設備が進歩するスピードの速さ。設備が変われば障害の内容も対応策も変わります。そのため常に最新技術についてキャッチアップし、追いついていかなければならない大変さは予想外でした。
現在の部署での仕事内容
現在は保守を統括する部署で、全社で扱う通信設備の困り事について解決策を講じる業務に携わっています。最近の事例として、特定の設備でトラブルが頻発しているとの報告を受け、原因を調査した結果、「塩害」が原因であること突き止めたというものがあります。このように現場から各種データを集めて原因を特定し、メーカーと協議しながら設備機器の改良を検討。現場に対してはトラブルを未然に防ぐ運用方法の導入を図っていきます。
今後は新しい装置の導入にも関わっていく予定です。用途と仕様を社内で検討した上で、その内容を設備メーカーと形にしていく仕事です。年々通信設備は進化していますが、私たちが求める基本的な性能は変わりません。すなわち長期間壊れずに安定的な通信がおこなえること、そして良好な作業性です。私自身、保守経験があるのでわかるのですが、点検しやすい設備、修理しやすい設備というのは確かにあります。そういう経験を新しい製品にフィードバックしていくことで、会社全体の業務効率アップにつなげていきたいです。

仕事のやりがい、成長を感じるポイント
数年前、工事の計画業務に携わっていたときに「こういう通信ができるようにしたいんだけど、どうしたらいいですか」と他部署の方から問い合わせがありました。再生可能エネルギー関連の新しい施設で、過去に例のない案件でしたが、それでもスラスラと答えることができたんです。「ありがとう、助かりました」の言葉がとても嬉しかったことを思い出します。最初は要望の把握すらできなかった私が、今や保守統括としていろいろな現場に指示を出す役割を担っているのですから、こうして改めて振り返ると成長を実感できますね。
やりがいという面では、やはり社会インフラを支える一員としてのやりがいが最も大きいです。例えば台風などの強風で光ケーブルが断線することがあるのですが、この事象は実は非常に厄介で、簡単に直せるものではありません。それでも中部電力パワーグリッドは数時間で復旧させてしまう。それは一刻も早く元に戻さなくてはならない、それができるのは自分たちだけだという使命感が後押しするからです。この張り合いは他ではなかなか得られないと思います。
今後挑戦したいこと
「縁の下の力持ち」に憧れて入った会社でしたが、とにかく完全な素人でしたから本当に馴染めるかどうか正直不安でした。もちろん入社後は必死に勉強しました。でも、それを上回るペースで新しい仕事が舞い込むので、常にわからないことだらけという状況です。
そんな私が今こうして重要な役割を任されるまでになれたのは、周囲の先輩方の助けがあったから。畑違いの分野の大学出身であることを皆さま知っていて、特に気にかけてくれていたみたいです。今でも勉強の日々は変わりませんが、そろそろ私も後輩の育成を受け持つ立場。若い頃に先輩たちから受けた恩は、後輩たちに受け継ぐという形で返していきたいです。
通信設備の面では、設備の長期運用や保守性の向上、コストダウンなどの複数の課題解決に挑んでいきたいです。近年では電子機器の設置ニーズも多様化していて、例えば屋外環境にも耐えうる機器の構造検討が必要となったりと、さまざまな検討や改良が求められます。そのような業務にも積極的に挑戦していきたいと思っています。
相関図

※掲載社員の仕事内容・所属部署は取材当時のものです。