
インタビュー
中部電力を選んだ理由
高台からの夜景が有名な、長野県の姨捨山の麓で生まれ育った私。小学校に入る前からこの景色が大好きで、誰に教えられたのか「美しい夜景は電気のおかげ」と、電気のありがたみを感じていたことを覚えています。豪雨で停電した夜には、ずぶ濡れで復旧作業をする作業員の姿に「なんてかっこいいんだ」と胸を打たれるなど、物心ついた頃からずっと電力会社への憧れのようなものがありました。
故郷への愛着が人一倍強い私は、大学の同期が「僕は東京で働く」と目を輝かせているときも「地元のために働きたい」という思いが揺れることはありませんでした。地元長野でお世話になった親類や友人・学校・病院・店舗で働く皆さまのためにかけがえのない電力を届ける。これほどまでに自分にぴったりくる仕事はないと考えていたため、就活はほぼ中部電力一本。途中「だめかも」と不安になったこともありましたが、無事に内定を獲得。その瞬間、選考中だった他の企業はすべて辞退しました。
これまでの仕事と身についたスキル・価値観
入社3年目からは、さまざま機器や資材の調達に関わる部署で働き始めました。電線や電柱、スマートメーターなどの電力供給に不可欠な機器を欠品させず、かといって過剰に持たないよう、直近の在庫回転率や今後の工事計画、市場価格の推移、新設住宅着工件数をはじめとした経済の動きなどを総合的に見ながら、最適な調達計画を立てていく業務です。大規模災害が発生した際、いかに早くすべての地域に復旧用資材が行き渡らせるかなど、多様な視点を持つことが必要な業務です。私はインフレや半導体価格の高騰など予測が難しい調達環境の中で揉まれるうち、想定外の事態にも対応できる打ち手のバリエーションを多く身につけることができました。
大きかったのは、この調達部門に移ってすぐに発生したパンデミックです。生産や物流が混乱する中、予定していた機器の入手ができず多方面に迷惑をかけるなど、成長の過程で数々の困難を経験しました。そのおかげでどんなピンチでも怯まない、ちょっとやそっとのことでは動じない。そんなタフさも身についたように思います。
現在の部署での仕事内容
現在は中部電力パワーグリッド株式会社の調達部で、主に工事契約業務を担当しています。鉄塔の新設や電線の張り替えなどをお任せする工事会社との契約をとりまとめ、管理していく業務です。安価で品質の良い工事を調達することが目標の仕事ではありますが、変化する事業環境の中でも確実な工事を実現していくために、近年では計画の精度向上も同じくらい重要になってきています。工事をお任せする工事会社は規模もエリアも多種多様。それぞれの得意領域や年間スケジュールなどを把握しながら、工事の品質を保ちつつ要員を確保していかなくてはなりません。
嬉しいのは、こうした協力会社の方にも我々同様、電力の安定供給の一翼を担うことに誇りを感じていただけていること。先日の能登半島地震の際に「私たちにできることがあればなんでも言ってください。」と利益度外視で声掛けしてくださった会社もあります。こうしたパートナーシップはどれだけお金を積んでも決して買えません。日頃からこうした関係性を構築していくことも重要なポジションといえます。

今後の目標、挑戦したいこと
変電所などの電力設備は何十年にもわたって使用されます。工事契約は稼働後のメンテナンスを含めた長期的視点で検討しなければなりません。また、高い電圧の設備工事には特殊な技能が求められます。我々がコストダウンばかりを目指すばかりに、経営が厳しくなり、技術者の育成ができない・・・。といった近視眼的なコストカットには意味がありません。5年先、10年先を見据え、我々も取引先もどちらも得をするwin-winな契約を追求していきたいですね。
電力の安定供給に向けた課題は常に山積みです。日々の業務のほかに南海トラフ発生時の復旧計画の立案や、電力関連制度の見直しへの対応、2050年の脱炭素社会実現など、我々電気事業者に求められる取り組みは非常に幅広いためです。
私も困難を目の前にして、出口の見えないトンネルの中にいるような気分になることもあります。でも、帰り道に立つ電柱と電線、建物から漏れる灯りたちが私を励ましてくれます。先が見えなくとも「自分のやっていることには必ず意味がある。だからがんばろう」と踏ん張れるのです。
相関図

※掲載社員の仕事内容・所属部署は取材当時のものです。