電力の需給バランスを正しく見通し、
買う／売るをいち早くジャッジする。

電力システム改革の中、中部電力は発電、送電、販売の事業を分離。それぞれ別会社を設置しました。販売を担当する中部電力ミライズは発電所をもたないため、他社からの電力を調達する部署が新たに生まれました。
私は2016年以降から現在に至るまで、そうした調達が主目的の電力取引に関わってきました。お客さまが必要とする電力量を推測し、発電所や市場などからの調達計画を立案。買い手として調達コストを抑えていく活動と並行して、売り手として電力を市場に出し利益を出す活動を行っています。
日本で唯一の卸電力市場「JEPX」には現在200社以上が登録し、日本の全販売電力量に占める割合が30％を超える巨大市場に成長。電力取引の重要性は年々拡大しています。

配属当初は市況の見通しが甘く、私の作成した入札案が原型をとどめないほどに修正されたこともあります。あまりの悔しさに、当番ではない日にも市場分析をするなどしてコツコツとスキルを磨いてきました。
例えば、九州地方の天気が悪いと市場価格が上がります。なぜだかお分かりですか？実は温暖な九州には太陽光パネルが多く設置されていて、普段は市場に出てくるその電力が出なくなることで市場価格が上がるのです。このことを知っているかいないかだけでも市場予測の精度は変わってきます。
こうした情報の取り方と分析手法は人によって違うため、私と仲間とで予測が全然違うということも多くあります。どっちが正解かは蓋を開けるまでわからないのですが、それをああだこうだと意見交換するのも面白いですね。