系統運用部門

膨大な設備の集合体である電力系統を高度な技術を駆使したシステムを使って24時間365日監視するとともに、時々刻々と変化する電力消費に合わせて発電機の出力を秒単位で調整・コントロールしている系統運用部門。調整のための発電機を用いて供給エリア内の需給バランスを保つ運用(需給運用)と、送電線・変電所といった電力ネットワーク設備の運用(系統運用)を担っています。そして、雷などの自然災害によって電力設備に故障が発生した場合でも、電力系統の信頼度を維持し、停電を極力回避するための方策も検討しています。
また、こうした運用を支えるために必要な「自動給電システム」、「給電制御所システム」、「系統安定化システム」の開発・管理も私たちの仕事です。多岐にわたる業務を通じて、良質な電気を経済的かつ安定的にお客さまへお届けしています。

主な勤務地

愛知県、静岡県、三重県、岐阜県、長野県

部門内各グループの役割

  • 中央給電指令所

    電気の消費量(需要)と発電量(供給)を常に一致させることで、お客さまにお届けする電気の品質を保っています。

  • 基幹給電制御所

    電力系統に流れる電気の量や電圧を常に監視・制御し、お客さまにお届けする電気の品質を保っています。

  • 制御システムグループ

    電力系統や発電機の監視・制御に必要な高信頼度のシステムを開発・保守しています。

  • 系統技術グループ

    系統故障時に発電機の安定運転を維持することで大規模停電を防止する「系統安定化システム」を開発・運用しています。

主な仕事

中央給電指令所

中央給電指令所

変動する需要や再エネ出力に対し、火力や揚水発電の出力を制御して、需要と供給を常にバランスさせ周波数を一定に保っています。瞬間瞬時の判断で、今、この時も高品質な電気を経済的かつ安定的にお届けしています。
また、あらかじめ中部エリアの需要を想定し、その想定需要に対して最適な発電機の運転計画を策定し、日々、安定的に運用しています。

基幹給電制御所

基幹給電制御所

電力系統の電圧は、需要および供給力の変動により刻々と変化するため、目標の幅に収まるように発電機や調相設備を制御しています。また、雷や台風などの異常気象に備え、より安全な送電ルートも検討しています。
電力系統に故障が発生した場合、迅速かつ適切に停電を解消する必要があるため、定期的に故障復旧訓練を実施し、技術力を維持・向上しています。

制御システムグループ

制御システムグループ

電力系統や発電機の監視・制御に必要な高信頼度の給電制御所システムを開発・保守しています。
現在、開発中の次期システムには、コスト面や保守面に優れた仮想化技術を採用しています。また、全社の給電制御所システムの計算機を統合し、給電制御と計算機を専用のIP網を介して分散配置する計画です。このシステムにより、当社の電力系統の監視・制御は、どの給電制御でも可能となります。

系統技術グループ

系統技術グループ

系統故障時に発電機の安定運転を維持することで大規模停電を防止する系統安定化システムを開発・運用しています。現在、AI技術を活用した電圧制御機能を備え、かつ再エネの出力変動にも対応した「長野方面ISCシステム※」を開発しています。また、電力系統解析および次世代ISCシステムの研究・開発も担っています。
※ISC(Integrated Stability Control)システム:統合型系統安定化システム(過渡安定度、周波数、電圧を維持)

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